牧師のショートメッセージ
思い巡らすクリスマス
田村誠喜 牧師 2016年12月
クリスマスの季節は、年末と言うこともあり何かと忙しくなります。 しかし、いつも御霊なる主のみことばを、また主の御業を、 「思い巡らし」て生かされ、 主に仕えるキリスト者であり教会でありたいと祈ります。
彼がこのことを思い巡らしていたとき、主の使いが夢に現れて言った。「ダビデの子ヨセフ。 恐れないであなたの妻マリヤを迎えなさい。その胎に宿っている方は聖霊によるのです。」マタイ1:20
ヨセフは妻と決っているマリヤが、どんな事情があるかは分からないが妊娠したとわかった。 当時のユダヤ人社会では、申命記22章23~24節にもあるように、婚約中であっても 夫以外に関係を持つことは、姦淫の罪を犯した者として男女ともに石打ちの刑が待っていた。 しかし、日頃のマリヤを知るヨセフは、マリヤをさらし者にはせず、内密に去らせようとして、 非常な戸惑いの中、思いを巡らしていた。 その時、御使いはヨセフに、700年前に預言者イザヤが預言していた救い主の誕生のみことばを語り、 マリヤといっしょに、マリヤのお腹におられる神の御子をお迎えするように導いて下さった。 主は、今日もさまざま出来事の中で、戸惑い思い巡らす私たちに、一切の罪からの救い主でおられる イエス・キリストを、その心の王座にお迎えするようにと語り続けておられる。 私たちが、日頃の不信仰を悔い改めて、心の中心に御子イエス・キリストをお迎えする時、 本当のクリスト・マス(キリスト礼拝)が訪れる。
しかしマリヤは、これらのことをすべて心に納めて、思いを巡らしていた。ルカ2:19
マリヤに御子イエスが誕生した時、喜びに溢れた貧しい羊飼いたちが訪れて、夜空を照らす主の栄光と、 救い主キリストの誕生を告げる御使いの言葉と、天の軍勢の賛美の様子を証して礼拝した。 これを見聞きしたマリヤは、この十ヶ月間に起ったこと、すなわち御使いガブリエルの受胎告知や、 「私は主のはしためです。お言葉通りこの身になりますように。」と祈った時のこと、 聖霊に満たされたエリサベツの祝福の言葉 「主によって語られたことは、必ず実現すると信じ切った人は、何と幸でしょう」、 夫ヨセフへの御使いの導きとその決断、 ローマ総督の勅令による住民登録で身重の中でのベツレヘムへ移動、 ダビデの町ベツレヘムでの御子の誕生実現など、 これらのこと一つひとつを心に納めて思いを巡らしていた。 実現して行く救いの御業の預言に畏れ驚きつつ、 大きな平安と確信と泉のような喜びがマリヤを包んでいる。
確かに主は私たちに、みことばを聞き、御業を思い巡らし、主に生かされるようにと語っている。 主は今日も、宣教のことばの愚かさを通して信じる者を救おうと定め(Ⅰコリント1:21)、 みことばをもって人々を育て用いようと決めておられる (Ⅱテモテ3:15~17)。 忙しいクリスマスの季節も、いっそうみことばに聞き、思い巡らし、主を喜び、主に仕えたい。