牧師のショートメッセージ
散らされた人々に注がれた恵み
田村誠喜 牧師 2019年10月
サウロは、ステパノを殺すことに賛成していた。その日、エルサレムの教会に対する激しい迫害が起こり、使徒たち以外はみな、ユダヤとサマリアの諸地方に散らされた。・・・散らされた人たちは、みことばの福音を伝えながら巡り歩いた。 使徒8:1、4
日本は憲法により信仰や伝道の自由が保障されている。この自由の保障に至るまで、多くの信仰者たちの祈りと犠牲が献げられて来たことを忘れずに、私たちは生きることを決意する。近隣の独裁国家やイスラム圏に建てられた主の教会の宣教のために祈る。
1、エルサレムの教会に対する激しい迫害の内容。
使徒26:9~11、(伝道者に変えられたパウロが、25年前の自分をヘロデ・アグリッパ二世に語った部分) 実は私自身も、ナザレ人イエスの名に対して、徹底して反対すべきであると考えていました。そして、それをエルサレムで実行しました。祭司長たちから権限を受けた私は、多くの聖徒たちを牢に閉じ込め、彼らが殺されるときには賛成の票を投じました。そして、すべての会堂で、何度も彼らに罰を科し、御名を汚すことばを無理やり言わせ、彼らに対する激しい怒りに燃えて・・。
2、散らされた人たちは、使徒たち以外の信仰者で、福音を伝えながら巡り歩いた。
使徒たちは、激しい迫害の中でも、エルサレムに踏みとどまっていた。ユダヤとサマリアの諸地方に散らされたのは、使徒たち以外の信仰者たちであった。
散らされた:実りを信じ、命ある種が蒔かれる時に用いられる言葉で、羊の群れが獣に襲われて「散らされる」とは別語である。このことから分かるように「散らされた使徒たち以外の信仰者たち」は、主なる神によって蒔かれたいのちの種である。
3、ピリポはサマリアに行きキリストを宣べ伝えた。その町に大きな喜びがあった。
ピリポはキリストを宣べ伝えた。散らされた人たちは福音を宣べ伝えた。Ⅱコリント2:17、私たちは・・神のことばに混ぜ物をして売りません。Ⅱコリント4:5、私たちは自分自身を宣べ伝えているのではなく、主なるイエス・キリストを宣べ伝えています。
サマリアは、主イエスによって1年余り前に伝道がなされ、井戸でのサマリアの女や、多くの人々が信仰に導かれていた(ヨハネ4:35~42)ので、ピリポの伝道は大きな収穫の時となった。
主の世界宣教計画は定まっていた。使徒1:8、しかし、聖霊があなたがたの上に臨むとき、あなたがたは力を受けます。そして、エルサレム、ユダヤとサマリアの全土、さらに地の果てまで、わたしの証人となります。創世記22:18、あなたの子孫によって、地のすべての国々は祝福を受ける。
信仰や伝道の自由が憲法によって保障されている今日の私たちキリストの教会では、牧師や伝道者以外の信仰者が、みことばの福音を伝えながら巡り歩いているだろうか。