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牧師のショートメッセージ

成熟を目指して進もう


田村誠喜 牧師    2017年3月

「ですから、私たちは、キリストについての初歩の教えをあとにして、 成熟を目ざして進もうではありませんか。」 へブル6:1

へブル書の多くの読者は、信仰者として年数も経過し、求道者や新しい人々や 初歩の信仰者に教えるべき兄姉たちでした。しかし霊の耳が鈍くなり、 もう一度、初歩の教えを教えてもらう必要が生じたのです。 そこで、へブル書の記者は、成熟を目ざして歩むように語りました。

1、成熟とは何か。
 新約聖書は、「成熟」と言う言葉の意味について、「十分に成長したこと」「大人となったこと」「成人したこと」「神の恵みの雨を吸い込んで信仰の実りを生じ、人々の祝福になっていること」として語っています。 へブル5:12では、成熟の姿として、人々の信仰を励まし祝福し導く教師だと教えます。 また、初歩の教えを良く習得し、信仰の幼子を後にして、義の教えに通じた者として示しています。 それは、信仰によって与えられた神との平和を持っている者で、 救いの確信を与えられ生かされている信仰者のことです。 へブル5:14では、成熟の姿として、信仰者や教会に起こる様々な課題について、良い物と悪い物とを見分ける訓練の与えられている信仰者だと語っています。事柄が神から出ていることか、人の不信仰や恐れから 出ていることか、識別力が試されます。 エペソ4:14~15では、成熟の姿が「それは私たちがもはや、子どもではなくて、人の悪巧みや、 人を欺く悪賢い策略により、教えの風に吹き回されたり、波にもてあそばれたりすることがなく、 むしろ愛を持って真理を語り、あらゆる点において成長し、かしらなるキリストに達すること」として語られています。

2、信仰者を成熟させるための神の方法は何か。
 コロサイ3:14では、成熟が「完全なもの」と言う訳語になっており、 12節から読むと分かるように、 神はみことばの説き明かしと御霊によって、「神に選ばれた者であり」「神に聖なる者とされており」 「神に愛されている者である」ことを理解させ体験させて下さることで、 成長を与え成熟した者へと導き育てて下さることが分かります。 エペソ4:11~13では、成熟した(大人の)キリスト者とするために、キリストご自身が、 伝道者や牧師や教師を立てて下さり用いて下さっていることが分かります。 ヨハネ15:2や、へブル12:11では、信仰者として成熟し信仰の実を 結ぶことが出来るように、 神が私たちの実を結ばない枝を刈り込んで下さると語っています。それは霊の父である神の懲らしめによると、 みことばは語っています。 Ⅱコリント3:18では、成熟は御霊の働きによると語られています。

「あらゆる恵みに満ちた神、すなわち、あなたがたをキリストにあってその永遠の栄光の中に招き入れてくださった 神ご自身が、あなたがたをしばらくの苦しみのあとで完全にし、堅く立たせ、強くし、不動の者としてくださいます。」  Ⅰペテロ5:10

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