下がれ、サタン。

田村誠喜　牧師　　　　2021年2月

　そのときからイエスは、ご自分がエルサレムに行って、長老たち、祭司長たち、律法学者たちから多くの苦しみを受け、殺され、三日目によみがえらなければならないことを、弟子たちに示し始められた。すると、ペテロはイエスをわきにお連れして、いさめ始めた。「主よ、とんでもないことです。そんなことがあなたに起こるはずがありません。」しかし、イエスは振り向いてペテロに言われた。「下がれ、サタン。あなたは、わたしをつまずかせるものだ。あなたは神のことを思わないで、人のことを思っている。」マタイ16：21～23

１、あなた（ペテロ）は、わたし（イエス）をつまずかせるものだ。
　ぺテロが「主よ、とんでもないことです。そんなことがあなたに起こるはずがありません。」といさめ始めた時、主イエスは「あなたは、わたしをつまずかせるものだ。」と言われた。つまずかせるとは、主イエスの本来の目的である「人々の罪を贖う十字架の道からそらすこと」。マタイ4：1～11には、イエスの敵対者である悪魔が、イエス本来の目的である「人々の罪を贖う十字架の道」からそらそうと、奇蹟による物質的満足や、人々からの称賛や、また神以外のものを拝むことによる解決や栄光をちらつかせた時、主イエスは「下がれ、サタン」と言って、悪魔を撃退した。私たちは、信仰者として教会として、本来の道からそらすものに、撃退のことばを準備しなければならない。

２、あなたは、神のことを思わないで、人のことを思っている。
　ペテロは、主がエルサレムでの苦難と十字架の死と三日目の復活を語っても、真っ向から否定した。「主よ、どうしてそのようになるのでしょうか。」と尋ねることさえできなかった。主は、私たちに「神の御心とご計画を求めないこと」、また「人のことを思っていること」この二つが原因だと指摘した。神の御子イエスに苦難があるはずがないと愛情たっぷりのことを語る。弟子たちはエルサレムで主イエスが王となり、自分たちが右と左に大臣のように名誉ある地位に着くことを夢見ていた。参照、マタイ20：17～24、マルコ10：32～41。それが、神のことばを、真っすぐに受け取れない原因であった。私たちはどうだろうか。

３、悪魔（サタン）がしたことは、偽ることと、神のことばを否定することであった。
　悪魔とかサタンとか呼ばれる古い蛇は「あなたは園のどの木からでも思いのまま食べてよい。しかし、善悪の知識の木からは、食べてはならない。その木から食べるとき、あなたは必ず死ぬ。」（創世記2：16～17）と語られた神のことばを「あなたは決して死にません。それを食べるそのとき、目が開かれて、あなたがたが神のようになって善悪を知る者となることを、神は知っているのです。」（創世記3：4～5）と語って、神のことばを否定し、人の将来について偽りを語った。主イエスは、ペテロの言動に、あの創世記3章に登場した蛇であるサタンの本質を見て警告している。
ヨハネ8：44、・・悪魔は初めから人殺しで、真理に立っていません。彼のうちには真理がないからです。悪魔は、偽りを言うとき、自分の本性から話します。なぜなら彼は偽り者、また偽りの父だからです。
ヨハネの黙示12：9、・・古い蛇、悪魔とかサタンとか呼ばれる者、全世界を惑わす者が地に投げ落とされた。

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